2項委託の実施
地籍調査は土地情報の収集から始まり地元説明会の実施、筆界の調査、測量の実施、地図と簿冊の作成、成果の閲覧、認証承認請求および成果の法務局送付など専門的な知識を数多く必要とするため、実施主体である市町村等の負担は少なくありません。地籍調査事業の大部分を包括的に委託する「2項委託」により、市町村の負担を軽減し大規模な地籍調査の実施が可能となります。平成22年に改正された国土調査法により、一定の条件を満たす法人に地籍調査の実施を委託することが可能になりました。この実施方法は国土調査法第十条第2項に規定されているため、2項委託と通称されています。
当社は、2項委託実施の要件を満たす適格法人として地籍総合技術監理者をはじめ地籍工程管理士、地籍調査管理技術者、地籍主任調査員の各資格を取得した経験豊かな技術者が多数所属しており、ご要望に柔軟に対応した2項委託の実施が可能です。
事業計画の策定
地籍調査に着手するためには、調査開始年月・実施する区域・調査手法や実施期間など、あらかじめ地籍調査について事業計画を策定する必要があります。事業計画の策定は、国土調査法や関連する政令・省令および通達などを勘案し、調査区域における適切な諸条件の設定や事業費の積算など、地籍調査における総合的な知識が求められます。
地籍調査の経験豊かな技術者による提案力によってご要望に合致した事業計画のご提案と、計画策定に対する技術支援を行います。また、計画策定だけでなく後続する地籍調査事業の実施についても対応が可能です。
地籍調査における新技術・新手法の検証業務
日々進化する測量技術や変化し続ける社会情勢に対応すべく、地籍測量への新しい測量技術導入のための精度検証や地域特性にマッチした効率的な調査手法に関する実地検証などの検証業務についても取り組みを行っています。これまでの取り組み事例をご紹介します。
DGPS、ハンディGPSの精度検証業務
山林部における一筆地測量にて使用が認められているDGPS測量機、登山等に使用されているハンディGPS、一筆地調査に使用されている携帯型パソコンと連動したDGPSの3種類について、使いやすさや位置精度などについて、山林部での一筆地測量のさらなる効率化を目指し、公益社団法人全国国土調査協会様より業務を受託し検証をおこないました。
市街地におけるネットワーク型RTK法・単点観測法による精度検証業務
都市部等の上空視界の確保が困難な地域におけるネットワーク型RTK法による単点観測法と多角測量や、ネットワーク型RTK法による単点観測法と放射法をそれぞれ併用した、効率的な測量方法および点検方法を検討しました。また、都市部の測量で最新のGNSS測量のネットワーク型RTK法による単点観測法がどのように活用できるか等について、国土交通省土地・建設産業局地籍整備課様より業務を受託し検証をおこないました。
地域の実情に即した効率的な山村境界基本調査手法の検討
山林地域における様々な実情に応じた山村境界基本調査の実施手法として、現地調査のみを実施する方法と既存資料のみを活用する手法について、公益社団法人全国国土調査協会様より業務を受託し、それぞれの調査方法を検討し実地検証を行い、その結果により作業規程、工程管理及び検査規程、電子納品要領、実施要領、積算基準書を作成する作業に携わりました。