測量の作業手法が多様化されるなか、この10年間で公共測量作業規程準則は大きく変化し、最新機器による測量方法が確立されています。当社は、国の方針や動向に合わせて、最新の技術を取り入れながら作業の効率化と技術力の向上に取り組んでいます。

先進技術の導入

GNSS測量

cad_612GNSSGNSS測量とは、米国のGPS・日本の準天頂衛星等の様々な衛星測位システム(Global Navigation Satellite System、略称GNSS)・ロシアのGLONASSを用いて、地上の位置関係を求める測量作業です。

当社では平成5年からGPS測量機(当時はGPSのみであった)を導入し、新しい技術や測量機器を早くから導入利用することで作業の効率化と精度の向上を求めてきました。

山間部での作業が多くを占める地籍調査では、角度や距離を測る光学機器(トータルステーション)による測量と比べ、観測点間の見通しが必要なく、大規模な伐採等が不要となったことから、作業効率が飛躍的に向上しました。

また、山間部では上空視界を確保するためアンテナタワー等を使用し、10m近くアンテナを上げる場合があります。長年GNSS測量に取り組んできた経験を活かし、器械や人員の最適な配置を詳細に計画することで、安全で効率の良い作業を行っています。

DGPS測位

DGPS測位は、ディファレンシャルGPS(Differential GPS)の略称であり、位置の分かっている基準局と位置を求めようとする観測点で同時にGPS観測をおこない、基準局で観測したデータを無線等を用いて観測点へリアルタイムに送信し、基準局の位置成果に基づき受信機1台だけで観測点の位置をリアルタイムに求めることが出来ます。
また、DGPSに代わるシステムとして、みちびき(準天頂衛星システム)が運用されています。2018年11月から、みちびきは4機体制で運用を開始しており、安定した高精度測位をおこなうことが可能となりました。
この様な技術を利用し、様々な検証をおこない実用化に向けて取り組んでいます。

DGPS 山間部での検証作業
上空視界が開けていない山間部でDGPSを用いた位置精度の検証を行い、地形状況に応じて様々なデータを取得しています。

DGPS スマートフォンと接続して使用
最新のDGPS測量機はスマートフォンのBluetooth接続により使用することができ、機器の軽量化が進んでいます。また、位置精度についても向上しており山間部での作業効率の向上が期待できます。

ネットワーク型RTK法

ネットワーク型RTK法は、観測に含まれる誤差を電子基準点のリアルタイム観測データ等を利用して補正することで、現在位置を求める測量です。
上空視界を確保できるところであれば、DGPSと同様に受信機1台で高精度な測量が可能となりました。

ネットワーク型RTK法
みかん畑などトータルステーションでは見通しが悪いところでも上空視界が確保できればcm級の測量を効率よく行えます。

リモートセンシング技術(リモセン法による地籍調査)

近年の航空レーザ計測データ等を用いたリモートセンシング技術の発達により、これまで現地でしか得られなかった樹木の高さや幹の太さ、航空写真では判読できない詳細な地形の情報など様々な情報をPCの画面等で確認出来るようになりました。
事業の円滑化・迅速化の期待される山村部の地籍調査では、リモートセンシングデータを活用した調査方法(以下リモセン法)を取り入れることで、現地での立会や測量作業の効率化だけでなく、土地所有者等の高齢化により現地での筆界の確認が困難な場合でも安全に調査をおこなうことが可能です。

航空写真を真上からみた画像(デジタルオルソ画像)に修正することで、地図と重ね合わせたり、画像上で距離や面積の計測が可能となります。

リモートセンシングデータから樹高を求めます。写真では判読できない樹高を色覚的に表現し、境界推定の参考とします。

リモセン法による地籍調査では、これまで現地でおこなってきた境界の立会や測量作業の大部分を、集会所で図面を広げたり、PCの画面上などの机上でおこなうことにより、安全で非常に効率の良い調査が可能となります。現地の情報を取り入れてわかりやすく説明できるように努めています。

3D画像で筆界を確認する様子

リモセン法による地籍調査

リモセン法による地籍調査は、森林の管理状況や公図の整合性等、地域の特性を正確に把握し、その特性にあった事業計画が必要となります。地籍調査の成果は、地図を作成したその日からその後の様々な事業の基礎データとして重要な役割を担います。
必要に応じて従来の地上法を組み合わせるなど、様々なかたちでご提案いたします。

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