測量の基準として、日本国土における正確な位置を定めている国家基準点が存在します。国家基準点には三角点、水準点、電子基準点等があり、明治時代より日本国土の把握、地図作成のため基準点が設置されてきました。現在は地殻変動の把握を目的とした電子基準点が約1300点設置され、国家基準点の基礎となっています。国土調査部門では国土地理院が実施する基本測量において、基準点測量に関する業務を受注しています。

基準点測量

精密測地網高度地域基準点測量

全国の一等から三等までの三角点の中から選定した点間平均距離約10kmの三角点を高度地域基準点として、GNSS測量を行います。以前は三角点2400点を5~10年周期で繰り返し測量していましたが、現在は大規模な地震等で国土が著しく変動した際に実施されます。この測量結果により地殻変動の様相を詳細に把握するとともに、より正確な測地基準点成果を決定します。

富士山山頂での基準点測量

平成23年3月 東北地方太平洋沖地震が発生し、東日本の国土が大きく変動しました。この時、国土地理院は精密測地網高度地域基準点測量を実施し、当社は富士山山頂を含む地区の測量に携わりました。国内初となる富士山山頂でのGNSS測量でありましたので国土地理院も注目する測量となりました。

GNSS測量は原理的に標高差の増大により結果不良を招く可能性が高くなります。富士山と麓の電子基準点との標高差は3000mを超えるため、規定では連続6時間以上の観測とされているところを、これまで基準点測量に携わった経験から連続18時間にも及ぶ長時間観測を提案し、再測量なく良好な結果を得ることができました。

基準点測量(四等三角点設置)

国土調査等の測量に伴い、国家基準点が不足している位置に、全国に約1300点ある電子基準点を利用し、必要な四等三角点を新たに設置する基準点測量が実施されています。

四等三角点 盤石設置状況

四等三角点 柱石設置状況

基準点改測

明治時代以降設置された三角点は、設置した当時から地殻変動、地震や柱石への衝撃等により柱石の位置と成果座標の間に不整合が生じ、測量の基準としての使用が困難な場合があります。これらの基準点(電子基準点)を基礎としたGNSS測量により成果座標の改定をおこなう測量を基準点改測といいます。

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